井筒俊彦『イスラーム文化 その根底にあるもの』

イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

2010年1月23日読了。
西洋近代以外と言う時、古代ギリシア古代ローマときて、次にイスラームへ行ってみた。この頃は書店で岩波文庫あたりの古典を適当にタイトル買いしていた。参考文献の連鎖が始まるのはもう少し後の話だ。
日記のタイトルにあるように、今の私にとっては本書によって初めて井筒俊彦を知ったというのが大きい。それ以外には今になって付け加えることは特にないから、読書メーターの読了当時の感想をコピペしてこの日記は終わる。

ちなみに私の読書メーターはこちら → http://book.akahoshitakuya.com/u/44757

(以下、読書メーターの感想コピペ)
イスラームイスラームたらしめているものは何か。1981年の3回の講演をもとにした本。外面への道を行ったスンニ派と内面への道を行ったシーア派スーフィズムという説明はわかりやすかった。コーランをメッカ期とメディナ期に分けることができて、前者は暗く個人的で後者は明るく社会的なイメージがあるというのも初めて知った。

マルクス・アウレーリウス『自省録』

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

私が自己啓発書を1冊選べと言われたらこれだろう。癒され、力づけられた。2010年1月20日読了。

ローマ帝国の哲人皇マルクス・アウレーリウスの呟き帳。Twitterの鍵アカで呟いている感がある。公表を予定して書かれたものではなく、タイトルの通り自分へ向けての言葉集なので、脈絡がよくわからない所もあるが、その私的な呟きからは、1900年前の大帝国の皇帝も私と同じようなことで悩んだりしていたんだなーと共感する所が多い。欧州の考え方であっても、ストア哲学の価値観は、その後入ってきたキリスト教の考え方よりも、現代日本人に共感をもって迎えられるのではないかと思った。

今私が日々考えているような「哲学」とは違うのだが、生活の指針として、ストア哲学を参照することはこれからもあるだろう。

一言にしていえば、肉体に関するすべては流れであり、霊魂に関するすべては夢であり煙である。人生は戦いであり、旅のやどりであり、死後の名声は忘却にすぎない。しからば我々を導きうるものはなんであろうか。一つ、ただ一つ、哲学である。

もし社会が損なわれたなら、社会を損なう者にたいして腹を立てるべきではない。「彼はなにを見あやまったのだろう」と問うべきである。

人は田舎や海岸や山にひきこもる場所を求める。君もまたそうした所に熱烈にあこがれる習癖がある。しかしこれはみなきわめて凡俗な考え方だ。というのは、君はいつでも好きなときに自分自身の内にひきこもることができるのである。

さて、明日も自分自身の内にひきこもりながら、働くとしよう。

アリストテレス『ニコマコス倫理学〈上〉』

ニコマコス倫理学〈上〉 (岩波文庫)

ニコマコス倫理学〈上〉 (岩波文庫)

ここでは当面は読書日記をつけていこう。日々の読書日記は読書メーターで記録しているので、ここでは少し時間を置いて、振り返って考えたことを書いていきたい。本の内容の説明や感想よりも読書を通しての私の日記という面が強いものになっていくと思う。他人の読書の参考になるかどうかは気にしないでいく。

本書を読み終わったのは2010年1月7日。哲学とか倫理といった、この手の本を読むことは長いこと止めていたのだが、2009年の秋頃から再開し始めた。なぜ再開し始めたか? 日々の生活の中で他人の価値観を受け入れ難いと思う経験が積み重なっていって、自分の中で限界に達したのだと思う。他人というのはわけがわからない。自分もまたよくわからない。わからないまま、なんとなく生きて、仕事をして、終わろうと思っていた。就職して何年か経って、そう自分に言い聞かせ、さらに何年か経ったが、やはりそのわからなさに耐えきれなくなり、わからないことを見て見ぬふりをせずに、考え続けなければ、そのうち仕事もできなくなるだろうということが、実感として迫ってきた。

当時、問題(考える対象)だと思っていたことはどんなことだったか。今でも覚えていることを挙げてみよう。

  • 働かざる者食うべからずということは何に由来するか。
  • 純粋であることを良しとすることは何に由来するか。
  • 心的なものを神秘化することについて。「思い」や「気持ち」を大切にしたい等ということへの違和感。
  • 価値観を問い続けるとどこかでそれ以上は問えない所に行き着く。それは、宗教のようなものではないのか。
  • 宗教的なことに無自覚であるだけなのに無宗教と言ってしまうことについて。

Twitterのログを漁るなどすればもっと色々出てくると思うが、上記のような問いを考えていた。しばらくは特に本を読まずに、自分で考え、その内容を他人にぶつけるということをしてきたが、次第に堂々巡りになってきた。堂々巡り的になるのは仕方ないにしても単なる堂々巡りではなく螺旋階段を昇るようにするために、過去の人間の知見を借りることにした。過去の人間にも色々いるが、私は、西洋近代「以外」を見てみようと思った。西洋近代というのは私たちが立っている地面のようなもので、そこからできるだけ離れて見ることで、その地面の形がよく見えるようになるのではないか、そういう思いで、西洋近代以前の特にキリスト教化される前、西洋以外の地域の特に西洋近代と接触する前、そのあたりの人間たちの考えに触れてみようと考えた。「ポストモダン」なるものはひとまず西洋近代に含めて考えた。

私は古代ローマが好きだというのもあり、まずは古代ギリシア・ローマに当たることにした。そして当時の私の問いは倫理学的な問いを多く含んでいると考えたから、それに応えてくれそうなタイトルの『ニコマコス倫理学』を手に取ったのである。下巻はまだ読んでいない。方向性を模索しているうちに、問題の優先順位が変わってきてしまったのだ。どのように優先順位が変わってきたのかは、この読書日記が続けば、わかってくるかと思う。

100冊かわかんないけど気に入った本を並べる試み(漫画版) 1〜20

気分転換に漫画版を開始する。
掲載誌を移動したけど事実上1つの作品として見ることができるものは1とカウント。

野望の王国完全版 1 (ニチブンコミックス)

野望の王国完全版 1 (ニチブンコミックス)

三大聖典その1。人間を支配するのは暴力だ!
北斗の拳 1 (集英社文庫(コミック版))

北斗の拳 1 (集英社文庫(コミック版))

三大聖典その2。人間を支配するのはやっぱり暴力だ!
カードキャプターさくら (1) 新装版 Kodansha comics

カードキャプターさくら (1) 新装版 Kodansha comics

三大聖典その3。人間を支配するのは暴力と宗教だ! ぜったいだいじょうぶだよ知世ちゃん!
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

映画になっているのはほんの一部。ナウシカの入浴シーンが見られるのは漫画版だけ!
宮崎駿の雑想ノート

宮崎駿の雑想ノート

難しいテーマなんか抜きにして大好きな兵器たちを描いている時の宮崎駿が好きです。
Rozen Maiden 新装版 3 (ヤングジャンプコミックス)

Rozen Maiden 新装版 3 (ヤングジャンプコミックス)

ローゼンメイデン 3 (ヤングジャンプコミックス)

ローゼンメイデン 3 (ヤングジャンプコミックス)

す、翠星石ーーーーーーーーーーーーー!!!!
咲 Saki (5) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (5) (ヤングガンガンコミックス)

モモァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
ヴァンデミエールの翼(1) (アフタヌーンKC)

ヴァンデミエールの翼(1) (アフタヌーンKC)

なるたる(1) (アフタヌーンKC)

なるたる(1) (アフタヌーンKC)

ぼくらの 1 (IKKI COMIX)

ぼくらの 1 (IKKI COMIX)

鬼頭ゾーン。『なるたる』は弟も買っていて実家には2セットあるのだった。
GUNSLINGER GIRL 1 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 1 (電撃コミックス)

同人誌時代から好きだったけど同人の時はアンジェ、商業誌ではトリエラ派。
ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス)

ノイタミナ枠。
Papa told me 1 (YOUNG YOUコミックス)

Papa told me 1 (YOUNG YOUコミックス)

これを薦めてくれたのは悪党だったが、悪党だからこそこういうものに惹かれる感受性があったのかもしれないと、今にして思う。
彼氏彼女の事情 (1) (花とゆめCOMICS)

彼氏彼女の事情 (1) (花とゆめCOMICS)

最初の頃は単に面白い笑えるで読んでいたのが、気づけば遠くまできたもんだ。
ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)

完結まで読めることは諦めた。
B.B.joker (Jets comics (188))

B.B.joker (Jets comics (188))

この品のなさがいい。
まほろまてぃっく (1) (ガムコミックスプラス)

まほろまてぃっく (1) (ガムコミックスプラス)

まほろさんかわいすぎて死ぬ。
めぞん一刻 (1) (小学館文庫)

めぞん一刻 (1) (小学館文庫)

高橋留美子ぱねぇなと思うよ。アニメの名場面は子供の頃からよく見たw
観用少女 1 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

観用少女 1 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

プランツドール。
午後3時の魔法 1 (アフタヌーンKC)

午後3時の魔法 1 (アフタヌーンKC)

午後3時のお茶会は癒し系。

100冊かわかんないけど気に入った本を並べる試み 41〜50

今日も記憶頼りでいきます。
新版が出ているものは、気づいた限りにおいては新版のリンクを貼っています。

哲学サミット

哲学サミット

歴史上の思想家たちが色々な哲学上の問題について討論する。わかりやすく面白い。中学生から社会人まで楽しめるかと思う。
詳説世界史研究

詳説世界史研究

山川の教科書は大学受験のスタンダード。「研究」は教科書では物足りない高校生や、一般教養として世界史を学ぼうとする大学生や社会人におすすめ。私は今でも手元に置いて、世界史について語る時の骨子を作る参考にしている。
詳説日本史研究

詳説日本史研究

こちらは日本史版。私は高校では世界史と地理を選択していたので、学校教育では日本史を学ぶ機会がなく、日本史の大きな流れを把握しておくためにこれを参考書とした。世界史同様、今でも手元に置いている。小学生の時に相対性理論のことを知って、高校の半ばで文転するまでは物理学科志望だった。
ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

アノマロカリスたんハァハァ
図説死刑全書完全版

図説死刑全書完全版

現代の日本に生まれたことに感謝せざるを得ない。
完全自殺マニュアル

完全自殺マニュアル

机の上に置いたまま出かけて帰ってきたら親にすごく心配された。
月の影 影の海(上) (講談社文庫)

月の影 影の海(上) (講談社文庫)

十二国記シリーズという意味でこれを挙げた。やっぱり国の歴史を語るような作品が好きみたい。
大衆の反逆 (中公クラシックス)

大衆の反逆 (中公クラシックス)

タイトルがかっこいいから買ったシリーズ。内容もいいけどね。これ読んでた頃の気概を少しは取り戻したい。
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

資本主義社会で働くことについて考える時に避けては通れない一冊かと思う。もうだいたい内容は忘れてしまったのだが、来年あたり読み返す必要性を強く感じている。

100冊かわかんないけど気に入った本を並べる試み 31〜40

うちには本棚がないので積んである本を崩すのは面倒だし、学生の時読んだ本は実家に置いてあったり図書館で借りたりしたものが多いので、本の選定は記憶に頼っています。
突然懐古に走ったりします。

NHKにようこそ! (角川文庫)

NHKにようこそ! (角川文庫)

共感できるところが多すぎて。漫画版は微妙でした。
生き残った帝国ビザンティン (講談社学術文庫 1866)

生き残った帝国ビザンティン (講談社学術文庫 1866)

あ、文庫でも出たんだ。もっとビザンツ帝国は知られてもいいと思うの。海外では研究されているけど、日本ではあまり研究されていない。
海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 (新潮文庫)

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 (新潮文庫)

ヴェネツィア1000年の歴史。前期は通商で、後期はものづくりで栄えるけど、軍備をもたなくなって久しく、再軍備の議論をしているうちにナポレオンに占領された。日本と重ね合わせて読むところもある。
八月の砲声 上 (ちくま学芸文庫)

八月の砲声 上 (ちくま学芸文庫)

八月の砲声 下 (ちくま学芸文庫)

八月の砲声 下 (ちくま学芸文庫)

第一次世界大戦が起こるまでと起こってから。世界大戦なんて後世で言われるような大戦争を起こすつもりは当事者にはあまりなかったんだけど気がついたら大変なことになっていた。これって他にもないですかね。身近な生活においても。中学生の時にウィザードリィにはまった。これを初めとするノベライズがどれだけ想像をかきたててくれたことか! 派手な演出のあるゲームも嫌いじゃないが、やっぱりこういう自由な形でのノベライズが次々出るような作品の方が好き。小学生の頃は毎日のように絵を描いていたので、武器や防具、モンスターの参考としました。
ファミコン10年!―ぼくらのTVゲームHistory (角川スニーカー・G文庫)

ファミコン10年!―ぼくらのTVゲームHistory (角川スニーカー・G文庫)

これ買った時には10年も歴史があるんだすごーいって思ったけど、もう27年近くの歴史……。
キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))

キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))

キノちゃんハァハァ
シュナの旅 (アニメージュ文庫)

シュナの旅 (アニメージュ文庫)

絵本みたいな感じ。ナウシカ的な雰囲気。もののけの原点らしいけど、これを読んだ当時はまだもののけは公開されていなかったよ。
新・戦争のテクノロジー

新・戦争のテクノロジー

戦争にはヒトモノカネが要るという当たり前のことを意識させてくれた本。捕虜の処遇についても、単に残酷とかかわいそうとかではなく、兵站と相談しないといけないということを知った中学生の頃。

100冊かわかんないけど気に入った本を並べる試み 21〜30

1日10冊じゃなくてもいいんだろうけど何となく。

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

ゾウやキリンは出てこないので注意が要る。
ジョーカー清 (講談社文庫)

ジョーカー清 (講談社文庫)

コズミック流 (講談社文庫)

コズミック流 (講談社文庫)

コズミック水 (講談社文庫)

コズミック水 (講談社文庫)

ジョーカー涼 (講談社文庫)

ジョーカー涼 (講談社文庫)

清涼院流水。2とカウントしますね。ミステリの類は全く読まなかったのにここから入ってしまったんだよね。
化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

これは何も考えないで読むのが吉。心地良い。
東大落城―安田講堂攻防七十二時間 (文春文庫)

東大落城―安田講堂攻防七十二時間 (文春文庫)

これを読んでも東大には受かりませんでした。
失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

せつない系。
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

短期的な利益追求よりも、長期を見据えた思想、哲学(ビジョン)を優先させる企業の方が長い目で見て成長しているという話。
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

コンサルティングファームではよく教科書のひとつとして挙げられます。考えを整理して書く技術は仕事以外でももちろん使える。学生の時に読んだが真価に気づいたのは就職後しばらくしてからだった。乃梨子ktkr
君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)

大学での行動指針のひとつとした。