酒見賢一『後宮小説』新潮文庫(新潮社)

仏像評価 7
第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。『雲のように風のように』というタイトルでアニメ化されている作品。
題名ですぐにわかりますが後宮を舞台にした小説です。中国の歴史の話かな、と思いますが、あくまでも中国っぽい「素乾国」という空想上の国の後宮のお話です。そこら辺が「ファンタジー」。後宮というのは皇帝の妻たちの住んでいるところで、彼女たちをお世話するのが宦官です。
田舎で暮らす少女、銀河が「三食昼寝つきだから」という理由で宮女候補に志願するところから話は始まります。前半は後宮での銀河の勉強と日常生活の話で、後宮だけに性的な話題もどんどん出てきます。後半は乱が起こって滅び行く素乾国で後宮を賊から守ろうとする銀河たち宮女の戦いと、銀河と皇帝の話。
歴史っぽい話が好きな人は一読してみるのも良いでしょう。
登場人物の中では、そのあだ名通りのことをする渾沌と、何を考えているのかわからなくて煙草を吸っていてパジャマみたいな服をいつもきている江葉が私は好きです。