今野緒雪『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)』コバルト文庫(集英社)

仏像評価 9
カニーナでちょっと私の中のマリみて旋風は下降線をたどり始めた気がしたのだけど(カニーナが悪いというのではなく他のまあまあ好きな作品並みでしたということ)、本作、ウァレンティーヌスで再びマリみて値上昇中。
ウァレンティーヌス」ってのはバレンタインのことで、バレンタインデーにまつわる話を集めたのがこの『ウァレンティーヌスの贈り物』。紅、白、黄、それぞれの姉妹のドラマが面白いです。
まずは「びっくりチョコレート」。これは主に祐巳と祥子の話。バレンタインデーを前に些細なことからすれ違う2人。
新聞部のバレンタイン企画の副賞が令との半日デート券と知り猛烈に反対する由乃いいです。もう由乃は多少暴走してくれないと由乃じゃないって気がします(笑)。そこがかわいいんだな。また、由乃の存在が令の意外なかわいさを知らしめてくれることにもなっていると思います。
祥子から思ってもいないことを言われて何も言い返せず泣いてしまう祐巳、いいなあ。白薔薇さまの方がいいのか、みたいな物言いをついしてしまった祥子もいい。あ、ここでいいって言っているのは、あくまでもある物事の一面としてそういうことがあるのもいいねというそういう話で。
白薔薇さまにしがみつく祐巳。「もうすぐ白薔薇さまは卒業しちゃう。そうしたら、どうしよう」。いいよね、白薔薇さま(聖)のような先輩。私もそんなことを言われる存在になりたいものです。
つぼみたちとのデート券争奪戦での祐巳の逃走経路は祐巳ならではって感じでした(笑)。必死な祐巳に笑ってしまいました。ゴメンナサイ。
今回、最もかわいい姿を見せてくれたのは志摩子。珍しく慌てふためく姿と、ラストの真っ赤になってうつむきっぱなしの志摩子最高です。白薔薇さまはあの後どんな顔をしたのだろう……。
そして、もちろん締めは祐巳と祥子。素直な解釈をするのなら、やっぱり祥子は……。姉妹愛だなあ。いい終わり方だったと思います。
次に「黄薔薇交錯」。黄薔薇ファミリーの長女と三女が次女の行動に悩まされる話。令もいいよね、という話です。黄薔薇の話はミステリ系が多いね(ぉ

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