今野緒雪『マリア様がみてる 涼風さつさつ』コバルト文庫、2003年

仏像評価 8.5
夏休みは終わって新学期。盟約の下、花寺学院の学園祭に出陣する山百合会幹部。
熱烈な祐巳信者、というかストーカー、細川可南子登場。怖い子だ。だがしかし、下級生からみた祐巳像の貴重なサンプルを提供してくれた。かなり偏ってはいるが。
由乃に蔵書の中身を笑われる乃梨子萌え。
ミルクホールで祐巳瞳子が話す場面。瞳子の扱いがうまくなったな、祐巳

瞳子ちゃんたら冷たいのねぇ。祐巳、寂しいわぁ」
ぴったりくっつくと、瞳子ちゃんは。
「やめてくださいよ」
半歩横に飛び退いて、二人の間に空間を作った。けれどただそれだけで、さっきのように祐巳を振り切ろうという気持ちは、もはやないようだった。逃げても無駄と、諦めたのかもしれない。

こんなやりとりは祐巳瞳子が出会った頃には考えられなかった。
今回一番よかったのは、残念ながら乃梨子は関係なくて、可南子撃退後の祐巳と祥子の場面だった。

万人に好かれることがすべてではない。
たとえたった一人であっても、こんなにも想ってくれている人がこの世に存在(あ)るのなら、それで十分なのだということを。
祐巳は、かけがえのないただ一人のお姉さまに教えられた。

私にもそんな人がいれば。というわけで、乃梨子と結婚します。
あと、今回の柏木はちょっとかっこよかったかもしれない。1巻で最悪の登場の仕方をしたけど、柏木の印象は少しずつ良くなっている。