マルクス・アウレーリウス『自省録』

- 作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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ローマ帝国の哲人皇帝マルクス・アウレーリウスの呟き帳。Twitterの鍵アカで呟いている感がある。公表を予定して書かれたものではなく、タイトルの通り自分へ向けての言葉集なので、脈絡がよくわからない所もあるが、その私的な呟きからは、1900年前の大帝国の皇帝も私と同じようなことで悩んだりしていたんだなーと共感する所が多い。欧州の考え方であっても、ストア哲学の価値観は、その後入ってきたキリスト教の考え方よりも、現代日本人に共感をもって迎えられるのではないかと思った。
今私が日々考えているような「哲学」とは違うのだが、生活の指針として、ストア哲学を参照することはこれからもあるだろう。
一言にしていえば、肉体に関するすべては流れであり、霊魂に関するすべては夢であり煙である。人生は戦いであり、旅のやどりであり、死後の名声は忘却にすぎない。しからば我々を導きうるものはなんであろうか。一つ、ただ一つ、哲学である。
もし社会が損なわれたなら、社会を損なう者にたいして腹を立てるべきではない。「彼はなにを見あやまったのだろう」と問うべきである。
人は田舎や海岸や山にひきこもる場所を求める。君もまたそうした所に熱烈にあこがれる習癖がある。しかしこれはみなきわめて凡俗な考え方だ。というのは、君はいつでも好きなときに自分自身の内にひきこもることができるのである。
さて、明日も自分自身の内にひきこもりながら、働くとしよう。